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新年度にあたり

千葉県弓道連盟会長 椎名好一

 新年度の始まりにあたりご挨拶申し上げます。
 昨年度はコロナ禍にありながらも過去2年間の経験から各部門創意工夫し、また会員皆様のご協力をいただき、すべての行事を執り行うことができました。
 行動の自粛等制限された中にありながらも、試行錯誤工夫し少しずつながらも前進してきました。まだまだコロナ前のように親睦を図る大会等の実施は難しい状況ではありますが、徐々に戻していければと思います。
 令和5年度の事業については既に案をお示ししてあるところですが、各競技会、審査会、そして講習会においてコロナの状況を考慮しながらではありますが、制限を緩めていく方針です。また自粛制限下にあった3年間で切に感じたことは看取り稽古の機会が大きく失われたこと。修練において熟練者の一挙手一投足を見逃すまいと目を凝らし刺激を受けることは如何に必要で大切なことか痛感しました。
 先日テレビを見ていると鶴岡八幡宮での流鏑馬の映像を映していました。執り行う小笠原宗家の稽古風景に、稽古場に会員が横一列に並び『練り足』の稽古をしている場面が映されたのですが、整然と歩く姿に力強さを見ました。馬に跨り弓を引くのですから足腰の強さ、胴造りの安定は必要不可欠な条件であり、そこから醸し出される馬上の強い美しさに目を見張りました。さて私達はどうでしょうか。中りはずれにばかり気を取られ基礎が疎かになってはいないでしょうか。もう一度基本に立ち返り己を練り直す必要があるのではないでしょうか。石井範士が云われていた、世阿弥の『初心忘るべからず』の意味が 思い出されました。「是非の初心・時々の初心・老いての初心」、自分は今どの段階の初心なのかを考え反省し稽古を重ねる日々です。常に初心の心構えをもって精進したいと思います。
 終わりに、会員皆様が弓道を楽しみ、探求心を強く持ち、さらに発展されるよう研鑽されることを願いあいさつとさせていただきます。